
通販のお肉、なぜこんなに安い?高い?―お肉選びに役立つ基礎知識
〜安い理由・高い理由には“ちゃんと理由”があります〜
こんにちは、花城一樹です😌
インターネットで「お肉 通販」と検索すると
「訳あり1kgドーン!」「大容量!家族でたっぷり」など、魅力的なキャッチコピーが並んでいますよね。
お得そうに見えるけど、「なんでこんなに安いの?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
今回は、そうした“インターネットで販売されているお肉の価格事情”について、食肉卸売業者の僕から見てわかる情報をお話してみたいと思います。
「1kgでこの値段!?」には、理由がある
まず、「大容量1kg」「焼肉用1kgが2,000円台!」といった驚きの価格。
これらは決して“古いお肉”や“鮮度が悪い”というわけではないと思います。
(サイトを見ただけだと100%とか言い切れませんが・・・)
ですが、加工方法や販売ロットの仕組みに、その理由があると僕は思います。
たとえば、多くのモール系ショップで見かける格安商品には以下のようなケースが考えられます。
・大きな冷凍塊肉を、冷凍スライサーでそのままスライス
→ 凍った状態で大きな機械でスライスすることにより、包丁を使う手間(人件費)を大きく削減。
・過剰在庫を一気にスライス加工し、冷凍で販売
→ 1頭買いしている大手企業ではよくあることで、お肉の部位に需要があり、季節などであまり需要がない部位の販売期限のリスクを減らすため、冷凍保存でまとめて処理し、価格を下げて放出。
これらは非常に効率的な手法で、コストを抑えながら大量に供給できる仕組みとして機能しています。
ただし、味や食感への配慮がどこまでなされているかは、商品によってバラつきがあります。
「黒毛和牛」じゃない?表記にも注意
もうひとつ、価格差の要因として見落とされがちなのが“牛の種類”の違いです。
前回のブログでもご紹介しましたが、「黒毛和牛」と「国産牛」はまったくの別物。
血統・育て方・脂の質などがまったく異なるため、価格も大きく変わってきます。
たとえば、有名な「〇〇牛」の名前がついていても、実際は「黒毛和牛」ではなく「国産牛」の場合があります。
この場合、黒毛和牛ではなく交雑種(F1)のため価格を安価に抑えることができます。
もちろん、「そのブランド牛が好き!」という価値観であれば、価格に見合った満足感が得られますし、交雑種でも付加価値がつき、高い価格になっている場合もあります。